本来、こんな呑気なブログで取り扱う内容ではないのですが、
今回ばかりは事の規模があまりに大きすぎました。
私も他人ごとのような顔をしていられなくなりましたので
少しだけ思ったことや考えたことを書き残しておこうと思います。
[2回]
まずは、地震・津波・原発事故において直接の被害に遭われた方
また間接的・二次的に損害を被られた方
そして、今なおその両方に苦しんでいる方々に
謹んで心から、心の底からお見舞い申し上げます。
私自身はほぼ何の影響も受けずに済んだのですが、
被災地宮古の後輩や知り合いが、やはり少なからず被害を受けました。
当初はその生存確認が取れるまでヒヤヒヤしていたのですが
幸いなことに知人はみな命に別状なく、復興に心を燃やしています。
以前から関わっていた、「宮古市応援キャラクター・灯みやこ」についても
今回の事をふまえて「復興支援キャラクター」としての役割をも持たせ、
一層盛り立てて行こう、と計画が進んでいます。
これは個人的な感傷になってしまうかもしれませんが
私は東北、特に太平洋沿岸部が大好きで、
よくバイクでツーリングに出かけていました。
年に1・2度、北海道と関東を往復する旅に出るのですが
普段からこれを楽しみに生きていると言っても過言でなく、
特に中間部の東北は一番のたのしみにしていました。
近い所では福島県いわき市、数日間の旅行になれば
テントやシュラフを背負って仙台・三陸・青森・北海道と、
何とかの一つ覚えのように走りまわっていたものです。
こんなひねくれじじいでも東北の自然や町や人、動物は
屈託なく、暖かく迎え入れてくれました。
灯りのない長い山道を走っているときでも孤独を感じず、
とてもとても満たされた気持ちで旅ができたのです。
気づかないうちに、東北を愛していたのだと思います。
それは失って更にはっきりと気づくことになりました。
あの街が、あの道が、今はもう無い。
福島第一原発のすぐ北側から、国道をはずれて海沿いへ。
そこから仙台へ向かって北上する田舎道は、
それはもう気持ちいいなんてもんじゃない、最高の道です。
小さな峠や町、漁港、一面にひろがる緑の田や畑を通りぬけ、
潮の香りや、青臭い草のにおい、枯れ草が烟る芳香を吸いこみながら、
憎たらしくなるくらい綺麗な青い海を口元で笑い飛ばしてひた走る。
今まで東日本を走った中でも、確実に三本指に入る道。
あと何十年たてば再び走ることができるでしょうか。
この一大事になにを呑気な、ただの個人的な感傷でしかない、
そう言われてしまうかもしれません。
それでも私は、自分の手で、足で、目で、直接ふれてきた
東北の人・町・自然・動物が本当に本当に好きなんです。
ひとつでも多くの人と動物の命、少しでも多くの建物と自然。
どうか生き残っていて欲しい。
そう祈り続けています。
そして、祈るだけでなく自分に出来る事はなんでもやってみよう、
自分ひとりの力は大して影響しないかもしれないけど、
それとは関係なし。
やれる事を考えよう。やれる事をやってみよう。
上手にはできないかもしれないけど、できるだけ上手にやってみよう。
様々な情報が飛び交い、何を信じたらいいのか分からない。
そんな声が数多く上がっていますが、
私には疑いようのない物がいくつかあります。
それは、自分が直接ふれたもの、こと、ひと。
自分の眼で見たもの。
自分の耳で、鼻で、口で、感じたもの。
海辺の町で会って話した、あのおばさん。
離れ小島で一緒に日向ぼっこしたネコ達。
彼らが無事かどうかはまだ確かめようもないけれど、
間違いなく今回の震災で酷い眼に遭ったに違いない。
助けてあげたい。無事でいてほしい。
この気持ちだけは、どんな情報に触れたとしても変わりません。
私は思います。
ライフラインの無事な町で、食料品や飲料水を買い占める人。
必要もないのにガソリンスタンドの行列に並ぶ車。
挙句、店員さんに食って掛かる心無い人。
もはや被災者など関係なしに自粛や不謹慎を叫ぶ人達。
被災地で、また福島の避難指示地域で、火事場泥棒をはたらく犯罪者。
他人のバイクや車からガソリンを抜き取る燃料泥棒。
全部をひとまとめにするのは乱暴が過ぎるかもしれません、が。
「今いちばん苦しんでいる人」の事を、まず最初に考えられないのでしょうか。
雪降る東北の寒さの中、水浸しになった家の屋根の上で
今にも死にそうな人。
その人のことを想える人が、ケチなパニックやケチな犯罪を行えるとは
私にはとても思えないのです。
…と、相変わらず偉そうな事を申しておりますが、
これは自分に対しての「お前、これだけは忘れたらイカンよ」という
覚え書きでもあります。
私は金も力もないただのダメ人間なので、
これからも変わらず走ったり歌ったり描いたりの生活をすると思います。
その中で、募金・義援金やボランティア、復興活動の支援、
それ以外にも「何かできないか」と考えるのをやめずに行こうと思っています。
なるべく早く、のんびり走ったりゆっくりレトロゲーに興じたりできる世の中に
なりますように!